日本国内で行った7月のテストシリーズで、ラグビーワールドカップでも対戦するスペインに2連戦を収めていた日本だったが、本大会前最後のテストマッチとなったイタリア戦では黒星となった。
日本は世界ランキングで4つ上位の7位に位置するイタリアに、WTB Alyssa D’Incaの試合開始2分の先制トライを皮切りに、28分にFB Fracesca Granzotto、34分にはHO Laura Gurioliに3連続トライを許して19-0とリードを広げられた。
日本は相手ゴール前まで攻め込むもののトライまで持ち込めず、相手のバックスに守備のギャップを突かれて得点を許す苦しい展開になった。
前半終了直前にWTB 畑田桜子が左サイドでパスを受けて5点を返したが、イタリアは後半開始11分でLO Valeria Fedrighiが押し込んで再び点差を広げた。
日本も後半14分にモールを押し込んでHO公家明日香が押さえて10-26としたが、後半25分にリザーブ出場のVittoria Vecchiniに5点、CTB Beatrice Rigoniが6本中5本目のコンバージョンを決められて33-10と突き放された。
日本は直後の29分に後半途中出場のHO谷口琴美がドライビングモールからトライを決めて5点を返したが、そこまでだった。
齊藤が代表50キャップ
この試合で女子日本代表キャップ数を50としたNO8齊藤聖奈は、「自分たちの課題が浮き彫りになった」と指摘。「(ワールドカップまでの)この2週間で引き締めてやらないと(初戦の)アイルランドに勝てない。練習もアグレッシブにやりたい」と気持ちを引き締めた。
サクラフィフティーンの長田いろはキャプテンは、「大会直前の試合に勝てず、とても悔しい。相手のプレッシャーを受けてうまくいかないところもあった」と振り返ったが、一方でモールでの得点やスペースを使った動きなどに「ワールドカップにつながるプレーができた」と手ごたえを覚えた要素もあるとした。
長田は「この試合で出た課題をしっかり修正することが必要。(本大会の)プール戦の相手もこの試合を見ているはず。必ず修正してワールドカップにつなげたい」と言った。
女子日本代表のレスリー・マッケンジーヘッドコーチは、「結果はとても残念。もっとできたと思うが、イタリアは経験豊富な手ごわいチームで、しかも相手のホームでの対戦で、自分たちのエラーが響いたところも多かった。次につながる良いレッスンになった」と述べた。
3大会連続出場でベスト8入りを目指す女子日本代表は、イタリア戦の週開けにラグビーワールドカップが開催されるイングランドへ移動。現地で最終調整を行い、大会に備える。プールCで戦う日本は8月24日、ノーザンプトンでのアイルランド戦を皮切りに、8月31日にエクセターで大会連覇中のニュージーランド、9月7日にヨークでスペインと対戦する。
女子ラグビーワールドカップ・イングランド2025は、8月22日にサンダーランドで行われるイングランドとアメリカによる開幕戦でスタートする。16チームが4チームずつ4グループに分かれて1回戦総当たりで9月7日までプール戦を行い、各組上位2位までがノックアウトステージの準々決勝に進む。決勝は9月27日、ロンドンのトゥイッケナムで開催される。
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