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女子日本代表、今季初テストマッチで女子アメリカ代表に勝利

今夏のラグビーワールドカップ2025へ向けて調整を続けているサクラフィフティーン女子日本代表は4月26日(日本時間27日)、ロサンゼルスで女子アメリカ代表と対戦し、WTB松田凛日選手の2トライなどで39-33と勝利。今季初戦の白星で日本はアメリカ戦初勝利をマークし、2025シーズンの好スタートとなった。

ワールドカップを睨んで強化を進める女子日本代表のレスリー・マッケンジーヘッドコーチは、テストマッチ今季初戦のアメリカ戦を「非常に良いテストで、価値のあるチャレンジになる」と話し、今夏のワールドカップイングランド大会へ向けて良いチェックポイントとして期待を示していた。

昨夏の日本国内での女子イーグルスとの2連戦では「最高のパフォーマンスを発揮できなかった」(マッケンジー指揮官)という内容で1分け1敗に終わり、通算対戦成績は1分け3敗。だが、今回のウォリス・アネンバーグスタジアムでの対戦で、女子日本代表は前半の苦戦を後半挽回し、アメリカ戦初勝利を手にした。

世界ランク9位のアメリカに対して12位の日本は試合開始早々にWTB今釘小町選手のトライで7-0と先行したが、相手のプレッシャーを受けてラインアウトなどでのミスが続くなど、なかなかプレーリズムをつかめずに苦戦。前半20分までにアメリカのCTB Alev Kelter選手、WTB Erica Coulibaly選手、FB Bulou Mataitoga 選手に3連続トライを許して7-21と点差を広げられた。

しかし、焦れずに粘り強いプレーを続けた日本は、前半終盤にバックスを活かしたプレーを織り交ぜてWTB松田凛日選手とCTB古田真菜選手の2連続トライで加点。19-21と2点差に詰めて前半を折り返した。

前半終盤から日本の攻めを受けてペナルティが増え始めたアメリカは、後半最初の10分をイエローカードで一人少ない中での戦いとなったが、後半開始6分にCTB Emily Henrich選手がトライを決めて26-19と再びリードを広げた。

だが日本も選手交代を活かしてプレーのペースとミスを修正。後半11分にはFL長田いろは選手がトライを決め、SO山本実選手のコンバージョンも決まって26-26と同点に追いついた。

その直後、試合はスプリンクラーの誤作動で一時中断となるが、再開直後にアメリカがPR Keia Mae Sagapolu選手のトライで再び31-26 とリードした。

日本は後半21分、相手22メートル付近のラックでプレッシャーをかけてボール奪うと、松田選手につなぎ、14番はそのまま走り抜けてこの日2本目のトライをマーク。2点差に詰めると、その3分後にゴール正面で得たPGを山本選手が決めて逆転に成功した。さらに、後半35分にはゴール前でフェーズを重ねて左アウトサイドへ展開し、途中出場で代表初キャップを獲得した垂門奈々選手が飛び込んで加点。20歳の初トライで日本は39-33で勝利を確定させた。

この勝利で日本は世界ランクを1つ上げて11位への浮上が見込まれている。アメリカの順位に変動はない。

8月22日にイングランドで開幕するラグビーワールドカップで初の8強入りを目指す日本はアイルランド、ニュージーランド、スペインとC組で、アメリカはイングランド、オーストラリア、サモアと同じA組で対戦する。

イングランド大会への準備

女子日本代表は1月下旬に今夏のワールドカップに臨む可能性のある大枠の選手36人を発表し、3月から国内で強化合宿をスタートさせた。チームのベースとなる顔ぶれを中心にケガ明けの選手のコンディションなどを見ながら、合宿を重ねてチーム作りを進め、大会へのメンバーを固める予定だ。7月には日本国内でスペイン代表との2連戦(19日北九州、26日東京・秩父宮)も予定している。

昨秋のWXV2では南アフリカ、スコットランド、ウェールズと接戦を演じながらあと一歩のところで得点機に決められず、勝利を逃して3戦3敗で終わった。だが2年連続でのWXV2参戦で手ごたえも得ている。

マッケンジー女子日本代表ヘッドコーチは、「フィジカルとセットピースは大きく伸びた。ただ、スピードとフィジカルのレベルは世界的にも上がっているので、日本もさらに伸ばす必要がある」とコメント。選手に競り合いでしっかり闘い、僅差の試合をモノにできるように更なるレベルアップを促している。

キャプテンの長田いろは選手も3月の合宿で、「昨シーズンはセットピースのところでFWが準備してきたことを出せた。スタッツでも相手より上回っていたことは、自分たちの自信になる。キックなどのスキル、一つひとつの精度を上げていきたい」と話していた。

今回のアメリカ遠征での女子イーグルスとの対戦を受けて、サクラフィフティーンは5月中旬から再び強化合宿に入る予定だ。

サクラフィフティーン指揮官として2度目のワールドカップへ準備を進めているマッケンジーヘッドコーチは、「毎日のトレーニングでいかに自分たちの強みを極めていけるか。強みを最大限に伸ばしていきたい」と話している。

Photo: USA Rugby

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